賽銭に1万円入れてみるということを提唱している人がいるそうですが、どうなのか考えます

■神主中島の話「お賽銭に1万円を入れることについて」

 神社にお賽銭として1万円入れてみることを推奨している、有名な自己啓発家?の方がおられるそうです。
 1万円をお賽銭としていれたことがある方はおられるでしょうか?ほとんどいないと思いますが、その通りで、1,000円札はたまにありますが、1万円札が賽銭箱にが入っていることはめったにありません。

神社的には

 「とにかく神社に1万円入るからいいじゃないですか」と言われるかもしれませんが、神主としては、困惑というか、なんだか複雑な気持ちになる、というのが正直なところです。

 もちろん、神社の収入いう点で、お金が入ることはありがたいことで間違いありません。ただ、たいていの人は100円くらいのところに、1万円も入れる人の意図、希望、願いがわかりません。
 お賽銭に1万円も納めていただけるのでしたら、きちんとのし袋に入れて社務所へ持っていってお供えする、あるいは神恩感謝や開運などでご祈願を受ける、これらの方が願いを叶えるという点でよいと思いますし、自然であると思うからです。授与品もお渡しできます。

あなたの時給が

 もし、今あなたが時給1,000円でアルバイトしていたとします。突然社長が「君の時給を明日から10,000円にするから」と言われたらどうでしょう?
 お金が入ることは嬉しいですが、怪しいですよね。当然、なぜですかと理由をたずねます。社長は「君を凄い評価してるとか、反対に何か問題あるとかの理由があるわけではなくて、あくまでも私の中の挑戦なんだよ」と言われたとします。そう言われてもなかなか納得できませんし、何か釈然としないものが残ります。
 それはこの話が最初から最後まで社長の意志と都合から行われていて、こちらの意志や都合をまったく気にしていないからです。ある種道具のように都合良く使われてるのかという気がしてきますし、馬鹿にされていると思う人もいるでしょう。

神社から見ると

 このお賽銭に1万円というのは、あえて役に立たない、無駄遣いなものに1万円というお金を投じてみることに意義がある、という話のようです。お金は使うことによって回ってくると。無駄遣いなら買い物するとか美味しい物食べるでも良さそうに思いますが、それならありがちなただの浪費になってしまいます。そこで目をつけたのがお賽銭であったのではないでしょうか。

 神社側から見ると、前述の勝手に時給を10,000円に上げた社長のようなもので、すべて向こうの意志と都合で動いていて、こちらは利用されているだけ、という気もしてきます。神主自身はともかく、神さまあっての神社ですから、神さまをないがしろにされるようなことは困ります。

よい変化が

 とはいえ、お賽銭に1万円入れるというのは普通行わないことですから、本人の中で心理的によい変化が起こる可能性もあります。
 1万円を直接の見返りがないものに投じて無くしてしまうというのは、お金にこだわる人にとっては自分の希望とまったくの反対ですから、かえってすがすがしさを感じることになります。この話題に関心を持つ人は、お金がほしい人、収入を増やしたい人が多いと思いますからなおさらです。

 お賽銭として入れる時に、祈願もされることでしょうし、これからの金運に恵まれることをお願いするのも問題ありません。あとは感謝の気持ちですね。今あるもの、自分が持っているものに感謝して1万円を投じる。これがありがたいことです。

どのように使うか

 1万円をお賽銭に入れるというのは変わった話です。自己啓発の世界だけでなく、どこでも同じですが、本を書いたりセミナーをしたり、というポジションに立つため、そして維持するためには、とにかく目立たなくてはなりません。当たり前のことだけ言っていては話題になりませんから、誰も言わないことやオーバーな話を展開していかないといけないのでしょう。どの世界も楽ではありませんね。

 読者としては、この手の話は「本に書かれた通りにやってみる」と「自分でアレンジしてやってみる」の二つの使い方があると思います。とにかく騙されたと思っても全部言われたとおりにやってみるというのもあるでしょう。
 もう一つは一部分だけ試してみたり、あるいは師の話を見てちょっとこれはと思ったものは自分なりに変えてやってみるというものあります。
 今回の話は神社の都合を考えないものではありますが、自己啓発家の人は宗教を広めるわけではないのですから、あまり宗教的な提案をするのは好ましくないと思われた、ということは十分に考えられます。しかし、読者の側は自由なのですから、神社側の意見も取り入れてアレンジしていく方がさらによい結果を導いていくでしょう。

ご祈願しましょう

 ではどうしたらいいのか。
 1万円持って神社でご祈願を受けましょう。願意は「開運」でも「家内安全」でも「神恩感謝」でもいいです。ご祈願のよいところは、自分の名前住所、願いを神主によって奏上してもらうことです。これはお賽銭だけとかなり違います。
 毎月1万円はきついというのでしたら、5,000円にしてご祈願してもらいましょう。これなら2倍持ちます。
 毎月ご祈願を受けていると、小さな神社だと神主と知り合いになって、またいい事も増えてきます。

 近くの神社でも自分の好きな神社でも、どこの神社でもよいとは思います。福の神としても知られる出雲大社の大国主大神さまにもお願いするのもよいでしょう。出雲大社紫野教会でもご祈願を受付しております。この文章を記述した神主中島が自らご祈願をお取り次ぎいたします
良い方向に行くように、ぜひ毎月お祈りしてください。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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