霊能者になるとどうなるのか

霊能者になるとどうなるのか

霊能者になるとどうなるのか

  霊能者って凄い、うらやましい、と思う人もいるかもしれません。しかし、どうも実際は大変のようです。以下は今までに私が聞いた話などを総合して構成しています。

 話題になるような凄い霊能者というのはほとんどが子供の頃からそのような能力を見せているようで、よって後天的に修行等で能力を開発するのが難しいようです。天賦、つまり天が与えてくれるようなものなのでしょう。また、親子でほとんど遺伝しないようです。肉体的な特徴や病気のなりやすさまで、ほとんどのもので遺伝があるようですが、霊能力はそうではないというのが不思議です。

 子供の頃から、何か不思議のものが見えて、あの人はもうすぐ死ぬよと言ってみたり、火事を予想したりするそうです。大人になって、またそんな力が出てきたりすると、友達や知り合いに対して見えたものをアドバイスしたりします。それがズバリ当たると友達がまたその友達を連れてきたりしますから、自分も意図しない形で信者が増え、霊能者としての活動が始まります。
 基本的に神仏にのお陰でその力があると感じるし、また、力が与えられたのは神仏の思し召しだから、困ってる人を助けなければならない、そんな気持ちが湧いてきて、霊感による人助けが始まるのですが、そこからが大変です。

 口コミでどんどん見てほしいという人が増え、霊能者専業になると一日に何人もの人を見ることになり、非常に疲れます。
 それならまだいいのですが、たくさん来ると、中には困った人も来るようになります。例えば嘘をつく人もいます。例えば、どこに行っても自分が周りにいじめられると語って、口ぶりもやさしく本当にかわいそうな人に思えてくるけど、霊感で鑑定すると、見えたのは、実はその人がトラブルメーカーで他の人たちに迷惑を掛けてる姿。そのことをはっきり告げたら、突然口調が変わって激しく怒り出す、なんてことがあったりします。また、携帯番号なんか下手に教えたら大変です。夜中3時4時に平気で電話が掛かってきます。「先生、私は今つらいんです」とか言われても気持ちわかりますがさすがに困ります。たしなめたら「人を助けるのが霊能者なんじゃないですか」とか非難されて閉口することになったりも。そんなことが相次ぐと、結果人間不信に陥ってしまいます。
 
 占い師という職業は、元ネタがあってそれを相談者に当てはめるわけですが、出た卦をそのまま告げるようでは務まりません。例えば「この人と結婚を考えてるのですが、相性を見てください」と聞かれて、占ってみたら卦は最悪。相談者と話をしていると、だいたいどういう意図、意志を持っているのかわかります。ははあ、この人はほとんど決めてるんだけど最後の後押しをしてほしんだな、とわかったところに、相性は最悪だからやめなさい、はっきり言ったら怒り出します。ですからそうは言いません。「こういうところが問題になりそうだから気をつけなさい」などと遠回しで、あくまでも否定はせずにアドバイスしていく形になります。
 占い師はこれでいいでしょうが、霊能者の場合はどうでしょう。「絶対分かれるからやめなさい」と見たままを正直に言うべきでしょうか。言ってもどうせ聞かないでしょう。非常に悩むところです。

 また霊能者を頼る相談者の人たちが嫌う言葉があります。それは、「結局はあなたがやるしかない、あなたが頑張るしかない」という言葉です。外部に解決策があってそれを求めてきたのに、自分で頑張れと言われても困るということです。最後は自分が頑張るしかない、端から見ていると当たり前のことだと思いますが、認めたくない人も多いのです。もちろん、内心ではそうだとわかっているから、今さら指摘されたくない、というところもあるでしょう。
 さらに、つらい自分、ボロボロの今の私の話を聞いてほしいと、長々と話をする人もいます。ヒマな人なら聞いてくれるかもしれませんが、人気霊能者にはたくさんの相談者が待っているわけですから、困ってしまいます。愚痴を延々と語るのは他の場所にしましょう。
(なお、出雲大社紫野教会では人生相談も行っております。そういう方もお越しになります)

 そんなこんなで肉体的にも精神的にも疲れてくると、霊力も落ちます。そうすると当たらなくなるわけで、さらに落ち込んできます。

 やはり、人間一人では限界があります。そこで、これではいけないと霊能者が自分の考えをまとめて「教え」を作り、それをみんなに広めよう、ということになります。昭和の頃には宗教団体を作りましたが、昨今は宗教のイメージが悪く、本を書くようです。
 ただ、本がそこそこに売れても、やっぱり相談者が求めているのは一対一の鑑定ですから、教えはなかなか広まりません。仕方のないことだと思います。

 以上、どうしてそんなに詳しいのですか、と思われるかもしれませんが、私には霊能力がありませんので、あくまでもいろいろと話を聞いたまとめです。
 凄い霊能者でも外れる時はあるし、つらいことも多いのですから、霊感がそんなには強くない人はもっと大変です。さらに、これで収入を得て生活していこうと考えるとさらに大変なことになります。悪徳霊能者に転落する人もいます。
、ちょっと勉強すれば霊能者のまねごとは誰でもできるということがわかります。まったく霊感がない自称霊能者もいるのではないでしょうか。悪徳な人でもまるっきり最初から詐欺という人は少なく、大半は元々オカルト好きで、そこから入ってきて転落した人なのではないかと思います。
 そんな霊無能者でも霊能者っぽい話し方をすれば、人の心を動かすのは簡単なのです。ですから、私は絶対にそのような話し方をしないと決めています。
 世の中に楽な仕事はありませんが、霊能者も間違いなく大変な仕事の一つなのです。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
・ツイッター@nkjm_tkhr

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