すべてを無くしてもやり直せる

すべてを無くしてもやり直せる

 事業に失敗した、あるいは投資に失敗した等で、財産をすべてを失ってしまった、あるいは大きなミスをして家族も何も失ってしまった、という人がいます。しかし、そのような人たちでもやり直しができるのです。

 須佐之男命は元から乱暴者と評判で、高天原に上ったとき、姉の天照大御神は武装して迎えられたくらいでした。心が清いことを証明するための誓ひ(うけい)に勝ったはずですが、須佐之男命はなぜか高天原で乱暴狼藉を働きます。これを悲しんだ天照大御神は悲しまれて天岩戸に隠られる、というのは神話の有名なストーリーです。
 天照大御神が天岩戸から出られた後、須佐之男命は捕らえられます。そして、

「ここに八百万の神共に議りて、速須佐之男命に千位の置戸を負せ、また鬚と手足の爪を切り祓へしめて、神やらひやらひき」(古事記)

 千位の置戸とは罪をつぐなうための品物のことで、須佐之男命はこれを差し出し、またひげと爪を切って高天原から追放されてしまいました。
 そして命が地上に降りたのは出雲の国でした。そこで、恐れられていた八俣大蛇を退治します。大蛇の尾を斬った時にすばらしい剣が出てきました。これは尋常なものではないと思った尊は、剣を高天原の天照大御神に献上しました。これが草薙剣である、と言われています。
 その後も地上に宮殿を建て、また根の国に住まれたわけですが、危険な大蛇を退治し、偉大な剣を献上した須佐之男命には最終的には八百万の神から許されたということではないでしょうか。
 この物語のように、人間の人生もやり直しがきくのではないでしょうか。その前の失敗は反省することが必要ですが、とにかく、世のために役に立つことをする。これを残りの人生の目的に置いて挽回しましょう。
 大きなことはできないかもしれません。しかし、少しでも役に立つことをするのが大切なのです。そして神さまはそういう生き方をほめられるでしょう。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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